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体温が低い原因とは?今すぐできる予防法

体温が上がることには敏感でも、「下がりすぎること」はあまり深刻に考えていないという人も多いのではないでしょうか。

ある朝、体温を測ったら、いつもの36〜37℃ではなく35℃だった——。数字だけを見るとわずかな差に思えますが、体はこうした変化にもきちんと反応しています。

体温が低いと、だるさや冷え、動きにくさを感じやすくなります。風邪をひきやすくなったり、一晩しっかり眠ったはずなのに疲れが抜けないと感じたりすることもあります。その背景には、体の熱を生み出す力を少しずつ弱めてしまう生活習慣が関係していることもあります。

専門家の中には、現代人の平均体温は数十年前と比べてわずかに低くなっていると指摘する人もいます。運動量の低下、不規則な食生活、ストレス、冷房の効いた環境で長時間過ごすことなどが、その一因と考えられています。

とはいえ、体温は体の動かし方、食事、睡眠、血行といった日々の習慣と密接に結びついています。何が体温に影響しているのかを理解できれば、体本来のバランスを支えるために、シンプルでありながら的確な対策を取ることができます。

この記事では、体温が低いとはどういう状態か、低体温体温が低すぎる場合に考えられる主な原因や注意したい症状、そして体温を無理なく上げるためのポイントをわかりやすく解説します。

低体温とされるのはどんなときか

体温は、体がどのように働いているかを示す基本的な指標のひとつです。健康な成人の多くは、平熱は36.5~37℃前後とされています。ただし、人によって多少の差があるのは普通のことです。

もともとの平熱が35℃前後、あるいはそれ以下に近い状態が続く場合、体温が低い状態と考えられることがあります。医学的には、体の内部の温度が大きく下がると「低体温」と呼ばれる状態になります。

一般的に、体の中心部の体温すなわち深部体温が35℃を下回る低体温とされています。これは脳や内臓の温度が、本来あるべき温度よりも低くなっていることを意味します。この段階になると、体は通常の働きを維持するのが難しくなってきます。

一方で、そこまで重い状態ではないものの、平熱が常に35℃台にとどまっているといった、いわば軽い低体温のような状態を経験している人は多くいます。これは必ずしも重度の低体温症を意味するわけではありませんが、体の熱を生み出す力が通常より弱くなっているサインの可能性があります。

また、体温は一日の中でも変動します。例えば、起きた直後などの体温が低めになるのは、睡眠中に代謝が落ちているためで、よくあることです。ただし、日中になっても体温が低すぎる状態が続く場合には、医療機関での評価と、生活習慣の見直しが必要になります。

体温が低くなる原因

体温が低くなる背景には、さまざまな要因が考えられます。多くの場合、重い病気というより、日常生活の習慣に原因があることが少なくありません。

筋肉量の減少

筋肉は、体の中で熱を作り出す主な組織のひとつです。加齢や運動不足、長時間の座りっぱなしなどで筋肉量が減ると、その分だけ熱を生み出す力も弱くなります。定期的に運動している人のほうが、やや高めで安定した体温を保ちやすいのはこのためです。

急激な体重減少や過度なダイエット

急に体重が落ちると、代謝が低下します。代謝は体内で熱を作る働きそのものなので、行き過ぎたダイエットを続けると、人によっては体温が35℃前後まで下がってしまうことがあります。

ストレスと自律神経の乱れ

長くストレスが続くと、体温や血流を調整している自律神経の働きに影響が出ます。このバランスが崩れると血行が悪くなり、手足の冷えや、全体的な体温低下につながります。

甲状腺ホルモンの変化

甲状腺ホルモンは、代謝や熱産生をコントロールする役割を担っています。このホルモンが不足すると、体が作り出す熱が減り、体温が下がる要因になります。

寒い環境

寒い場所で長時間過ごしたり、服装が薄すぎたりすると、徐々に体温が奪われていきます。室内の冷房であっても、冷えに敏感な人にとっては体温低下の原因になることがあります。

こうした多くの原因は、日々の生活習慣と深く関わっています。つまり、特別な薬に頼らなくても、生活を少し工夫することで、体温調節の力を改善できる可能性があります。

体調管理に関する情報を調べる中で、オンライン薬局薬の通販などを通じて関連情報に触れる人もいます。情報の内容や信頼性には差があるため、複数の情報源をもとに判断することが大切です。

体温が異常に低いときの症状(低体温症)

体温の低下は、ゆっくり進行することが多く、初期のサインは見過ごされがちです。最初は、いつもより強く寒さを感じたり、妙に疲れやすかったりする程度かもしれません。暖かい部屋にいても手足が冷え切っている、といった感覚もよく見られます。

体温がさらに下がると、体は震えによって熱を作ろうとし始めます。動作が遅くなり、体の動きにぎこちなさを感じることもあります。

体温が34~35℃に近づいてくると、次のような症状が現れやすくなります。

  • 疲れやすさの増加
  • 集中しにくい
  • 動きが遅くなる
  • 皮膚が冷たく感じられる
  • 普段より強い眠気を感じる

さらに32~33℃付近まで下がると、状況はより深刻になります。意識がぼんやりする、極端な脱力感が出る、真っ直ぐ歩けないなどの症状が現れることがあります。このような重い低体温の状態では、慎重な医師による診察が必要です。軽度の体温低下であれば、必ずしも緊急性が高いとは限りませんが、初期段階のサインに気づいて体を温め、バランスを取り戻すことで、症状の悪化を防ぐことができます。

体温を安全に上げる方法

自分の平熱がいつも低いと感じるなら、体を自然に温めるためにできることがいくつかあります。

暖かい環境に移動する

周囲の気温が低い場合は、より暖かい場所へ移動し、衣服を一枚足すなどして体が十分な熱を保てるようにします。

温かい飲み物をとる

ハーブティー、スープ、白湯などの温かい飲み物は、体の内側からじんわりと温め、水分補給にも役立ちます。

バランスの取れた食事をとる

食事は、体が熱を作るためのエネルギー源です。たんぱく質、炭水化物、良質な脂質を含むバランスの良い食事は、代謝と体温調節の働きを支えます。

軽い身体活動を行う

散歩や軽いストレッチなど、無理のない運動は血行を促し、体温を自然に高める助けになります。

休息と睡眠をとる

疲労や睡眠不足は代謝を弱めてしまいます。一定のリズムで十分な睡眠をとることで、体は体温をより適切に調整できるようになります。

低体温を防ぐための生活習慣

  • 定期的な運動
    ウォーキング、ストレッチ、筋力トレーニングなどは筋肉量の維持に役立ち、体内で熱を生み出す力を支えます。
  • 入浴の習慣づくり
    10分程度の温かいお風呂は、血行を良くし、一時的に体温を高める効果が期待できます。
  • 栄養バランスの良い食事
    野菜、たんぱく質、全粒穀物などを組み合わせた食事は代謝を助けます。また、食事の時間を大きく乱さないことも、一日を通したエネルギー維持に役立ちます。
  • ストレスマネジメント
    リラックス法、深呼吸、趣味の時間などは、自律神経のバランスを整える一助となり、体温調節にも良い影響を与える可能性があります。
  • 寒い時期の適切な服装
    重ね着、マフラー、暖かい靴下などで、体から熱が過度に逃げるのを防ぎます。

これらの習慣はどれもシンプルに見えますが、続けることで、健康的で安定した体温を保つための土台を少しずつ整えてくれます。

まとめ

体温が低い状態は、多くの人に見過ごされがちです。体温が上がることには注意を向けても、「体の中が冷えている」ことにはあまり意識が向かないためです。

しかし、安定した体温を保つことは、血行や代謝、そして全身の健康にとってとても重要です。体温が頻繁に35℃前後、あるいはそれ以下の状態が続く場合は、代謝低下などにより、熱を作る力が弱くなっている可能性があります。運動不足、ストレス、体重減少、寒い環境での生活などが、主な要因として挙げられます。

一方で、こうした原因の多くは、日々の習慣を少し見直すことで改善が期待できます。こまめに体を動かすこと、栄養バランスの良い食事、入浴によって体を温めること、そして十分な休息をとることは、体本来の体温バランスを整える助けになります。

症状が重い場合や長く続く場合には、医療の専門家に相談することが、安心につながります。

よくある質問

Q1.成人の正常な体温はどのくらいですか。

A.多くの成人では、平熱はおおよそ36.5~37℃前後とされており、この範囲内で多少上下するのは正常です。

Q2.何度くらいから低体温症になりますか。

A.一般的に、体の中心部の体温が35℃以下になると低体温とされています。

Q3.なぜ朝は体温が低くなるのですか。

A.睡眠中は代謝が落ちているため、起床直後の体温は低めになりやすく、その後、日中にかけて徐々に上がっていきます。

Q4.体温が低いと疲れやすくなりますか。

A.特に血行や代謝が落ちている場合、体温がいつもより低いと、だるさや動きの鈍さを感じる人もいます。

Q5.体温を素早く上げるにはどうしたらよいですか。

A.暖かい場所へ移動する、温かい飲み物をとる、重ね着をする、軽い運動をするなどで、体を徐々に温めることができます。

Q6.女性で低体温になる原因にはどのようなものがありますか。

A.一部の女性では、ホルモンバランスの変化、鉄不足、ダイエット、ストレス、筋肉量の低下などが体温低下に関わっている場合があります。

Q7.体温34℃でも生存できますか。

A.体温34℃は中等度の低体温とされ、体が作る熱よりも失う熱のほうが多くなっている状態です。この段階では、強い震え、混乱、動きの鈍さなどの症状が現れることがあり、注意深い医療的対応が必要になる場合があります。

参考文献:

National Institutes of Health. Hypothermia overview. Available from: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK545239/

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